埼玉県さいたま市浦和区にある調神社。調(つき)=ツキがある神社として、勝負運や金運のご利益を授かることができます。地元浦和のサッカーチームである「浦和レッズ」もその恩恵を授かるため、年の始めに調神社で勝利祈願をするそうです。
しかし、そんな調神社には七不思議の噂があることをご存知でしょうか。七不思議というと怖いイメージがあり、参拝をためらってしまう人もいるかもしれません。
そこで本記事では、調神社の七不思議の話や歴史について解説します。調神社への参拝を考えている方は、ぜひ最後まで参考にしてみてください。
調神社は怖い?七不思議について
調神社には七不思議が伝えられており、そのため「怖い」と言われています。調神社の七不思議は以下の通りです。
①鳥居がない
②松の木がない
③ひょうたん池の魚が片目になる
④狛犬の代わりにうさぎの像が置かれている
⑤日蓮聖人駒つなぎのケヤキ
⑥ハエがいない
⑦蚊がいない
ひとつずつ解説します。
①鳥居がない
調神社は、別名「調の宮(つきのみや)」といいます。そして、「調の宮」=「貢の宮(みつぎのみや)」のことです。各地に屯倉(みやけ:収穫した稲米を保管する倉庫)が設置された際、その跡地に祀られた神社を一般的には調宮と呼んでいました。
伊勢神宮に献上する新米を保管するための倉庫として、関東地方ではこの地に大規模な屯倉が設けられたのです。そのため、貢物の搬入時に邪魔にならないよう鳥居を作らなかったと言われています。
②松の木がない
調神社には松の木がなく、お正月の門松さえも設置されません。その理由として、「調神社の松の木伝説」が大きく関係していると言われています。調神社の松の木伝説は以下のとおりです。
①須佐之男命(すさのおのみこと)という弟神が大宮に向かう
②しかしなかなか帰ってこない
③姉神である月読命(つくよみのみこと)が待ちくたびれる
④「もう待つのは嫌だ!」と怒る
⑤待つ=松の木を撤去する
松の木もびっくりしてしまうような理由ですね。
③ひょうたん池の魚が片目になる
調神社の神域が広かった時代には、境内にひょうたん池と呼ばれる神聖な池があったとされ、伝説によれば、ひょうたん池に魚を放すと、その魚は必ず片目になるとされ現在の境内にある「御手洗池」は、その伝説を引き継いでいると言われています。
ですが、今ではウサギの像が元気よく水を湧き出している、エネルギーの高い場所となっています。
④狛犬の代わりにうさぎの像が置かれている
調神社には、狛犬の代わりに狛兎がいます。なぜなら、調神社の「調(つき)」と同じ読み方である「月」の動物として、うさぎが神様の使いとされたからです。
全国でも狛兎がいる神社は、調神社だけと言われています。また、うさぎを神様の使いとする調神社では、境内のいたるところにうさぎの絵や像が存在します。
神主でさえも、境内のうさぎの数を把握できていないと言われており、参拝しながらうさぎを見つけることも楽しみのひとつになりそうですね。
⑤日蓮聖人駒つなぎのケヤキ
調神社には、「日蓮聖人伝説」があります。
①日蓮聖人が流罪として佐渡島に向かう途中この地を通過した
②難産で苦しむ女性に出会う
③子を無事に出産するためにケヤキを使った祈祷を行った
④多くの人々が「ケヤキは安産に効果がある」と信じて集まる
当時、約8mあったケヤキの木は枯れてしまいましたが、現在は切り株だけが残されています。また、ケヤキは別名「ツキノキ」というそうで、調神社には松の木がなく、代わりにケヤキの木がたくさんある理由はここに繋がるかもしれませんね。
⑥ハエがいない
調神社の七不思議の一つに、「ハエがいない」という言い伝えがあり、その昔、調神社は伊勢神宮に献上するための貢物を保管する倉庫であったため、ハエが出ないほど清潔に保たれていたんだとか。
その名残で現在も、調神社にはハエがいないと言われています。また、調神社に祀られている神様がハエを嫌っていたという理由もあるそうです。
⑦蚊がいない
調神社の七不思議のひとつに「蚊がいない」という言い伝えがありますが、その理由は先述した⑥と同じです。
しかし、実際には調神社にはたくさんの木が茂っているため、夏には蚊も出没する可能性が高いでしょう。念のため、参拝する際は虫除けスプレーや虫刺され薬を持っていくことをおすすめします。
調神社の歴史
調神社は、鳥居がないことや狛犬ではなく狛兎がいることで知られていますが、どのような歴史を持つ神社なのでしょうか。ここでは、調神社について以下のことを解説します。
・調神社の歴史と神様
・調神社とうさぎ
・浦和レッズとの関係
詳しく解説します。
調神社の歴史と神様
調神社は、埼玉県さいたま市にある神社です。2000年上前に建てられた歴史の深い神社で、通称「調宮(つきのみや)」と言呼ばれ、伊勢神宮の創建者である倭姫命が、神宮への貢ぎ物(=調(ツキ))を集めるための蔵をここに建てたことで始まりました。
調神社の御祭神は、「天照大神(あまてらすおおみかみ:太陽の神様)」「豊宇気姫命(とようけびめのみこと:農業・諸産業・衣食住の神様)」「素戔嗚尊(すさのおのみこと:活力・想像力の神様)」の三柱です。調神社は、金運や勝負運の御利益を授かれると言われています。
調神社とうさぎ
調神社は、伊勢神宮への貢物を集めるために建てられた蔵から始まったと言われています。
貢物は、別名「調(つき)物」とも呼ばれ、調(つき)という言葉は月と同じ読み方をするため、月待信仰と結びつき、月の動物であるウサギが神の使いと見なされました。そのため、神社の入り口では狛犬ではなく、狛兎が出迎えてくれます。
また、御手洗池の噴水や拝殿正面の絵馬、拝殿の彫刻、拝殿の灯篭、稲荷社(旧本殿)の彫刻など、いたるところにウサギがいます。調神社のお守りもうさぎがモチーフになっており、一般的な四角い布に包まれているお守りから、キーホルダー型やうさぎ型などの珍しいものまであり、選ぶのが楽しいですよ。
浦和レッズとの関係
調神社という名前は「調(つき)=運がある」という意味で、勝負事や金運などのパワースポットとしても有名です。
毎年、新年を迎えると地元浦和のサッカーチーム「浦和レッズ」は調神社で必勝祈願を行っています。浦和レッズのサポーターも多く訪れ、選手と共に祈願することで熱い思いが集まり、強力なパワースポットとして知られています。
まとめ
今回は、調神社の七不思議について解説しました。調神社の七不思議については、以下の通りです。
①鳥居がない
②松の木がない
③ひょうたん池の魚が片目になる
④狛犬の代わりにうさぎの像が置かれている
⑤日蓮聖人駒つなぎのケヤキ
⑥ハエがいない
⑦蚊がいない
調神社は、2000年という深い歴史のある神社です。調神社という名前から「ツキ」があると信じられて、今では浦和レッズの選手たちも参拝にくる人気のパワースポットとなりました。勝負運やツキを手に入れたいという方は、ぜひ調神社を訪れてみてはいかがでしょうか。
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