飼い主と深い信頼関係で結ばれ、唯一無二の存在だったペット。
先立たれてしまったことでペットロスに陥り、自らも後追いしたいと考えてしまう人は少なくありません。
同じ時を過ごし家族の一員だったペットを失うことはとても悲しいことですよね。
「ペットロスで生きているのが辛い。生きる意味が分からない。実際に後追いした人はいるのだろうか…?」
このように考えてしまうのも無理はありません。大きな喪失感を乗り越えるにはどうしたらいいのでしょうか。
本記事ではペットロスによる後追い自殺の有無、後追いにいたる心理、そしてあなたが悲しみから立ち直るヒントを記載します。
TOPIC
ペットロスにより後追いした人はいるのか
ペットロスとは「ペットロス症候群」のことを指します。
これはペットを失った喪失感から飼い主の心身に不調が起こることで、症状は以下のようなものが現われます。
- 不眠
- うつ
- 疲労感
- 倦怠感
- 虚無感
- 摂食障害
- 情緒不安
- 消化器不良など
ペットを失くした悲しみとこれらの症状で心が消耗してしまい、後追いした人つまり自殺をした人は実際にいるのでしょうか。
遺書などが無い場合、自殺の原因は推測でしか知ることができないため正確な数は不明なものの、ペットロスが原因の後追い自殺はあると考えられます。
ある国立研究開発法人の論文にも「ペットロス症候群に伴う精神疾患で医師の介入が必要となる割合」を著したものがあるほどです。このことからもペットロスは深刻なものと言えるでしょう。
大事なペットを失った悲しみはおそらく想像を絶するものでしょう。後追いした人がどのような精神状態にあったのか、次の章で見ていきます。
ペットロスで後追いした人、自殺を考えてしまう人の心理
長い時間を一緒に過ごしてきたペットは、自分の子どものように、また時には相棒のように良き伴侶でいてくれたのでしょう。
家族の一員とも呼べるペットを失って深い悲しみを感じることは当然のことですよね。
飼い主の多くはペットとの別れのあと、ペットロスになっても時間をかけてその悲しみを乗り越えていきますが、中には絶望から立ち直れずにいる人もいます。
長期間喪失感や悲しみに苛まれていると、だんだんと飼い主の心はペットの後追いを考えるようになってきてしまうのですが、そうなる背景には二つの心理状態があります。
一刻も早くペットのところへいきたい
ペットロスになると喪失感や虚脱感を強く感じるようになります。
「自分の命を絶ってでも早くペットに会いたい」
「会いたくて会いたくてたまらない」
「あの子のいない世界にはなんの未練もない」
こう思ってしまうことが、まず後追い自殺を考える人の心理の一つ目です。
ペットの死は大事な家族を亡くすのと同等の悲しみですから、このような考えになってしまってもおかしいことではありません。
あの世でペットに会えるのなら自分の命も惜しくない、一刻も早く会いたいと思うのは、それほどペットのことを愛していたしるしとも言えますよね。
もっとしてあげられることがあったという後悔
愛する家族が亡くなった時、残された者は深い悲しみとともに「もっとこうしていれば…」という心理になっていってしまうそうです。
ペットが病気で亡くなった時は
「あの時早く病院に駆け込んでいれば…」
「一睡もせずに看病できなかったからだ」
「自分のせいだ」
という後悔や罪悪感に包まれていきます。
死因が病気でなくても
「もっと可愛がってあげられたんじゃないか」
「もっとわがままを聞いてあげればよかった」
という思いがじわじわと心に湧き上がってきます。
しかしその後悔の念とは裏腹に、もう飼い主がペットにしてあげられることはないのですよね。
その現実に苦しみ、また「なぜ生前にしてあげられなかった」と後悔し、やがてそれは心にぽっかりと穴を空けていってしまいます。
その絶望や虚無感から、ペットロスになり後追い自殺を考えるようになっていくことがあります。
ペットロスで後追いしたい人が悲しみから立ち直るには
第一に、後追いしたいほどペットのことを愛していたという自分を認めてあげましょう。
あなたはたくさんペットのことを愛してきました。ペットを大事に思い、家族のように接してきました。だからこそ、この悲しみがあるのですよね。
ペットのことがどうでも良かったら、そもそもペットロスにはなりません。
あなたの愛がペットにもしっかりと伝わっていたことは間違いありませんよ。
他の者の死を前にしては、誰もが無力です。
「こうしていればペットの死を防げたのに」という思いから解放されて良いのです。
ペットロスから立ち直るには色々な手段がありますが、どの方法をとっても最後には「その子の死を受け入れること」が大事になってきます。
人に話す
あなたの信頼する家族や恋人、親友でも構いませんし、時にはネット上の相手かもしれません。
誰かに、あなたの思いのままを話してみてください。
たくさん悲しんで、後悔していることも伝えて、ネガティブな要素しかなくても大丈夫。悲しみを共有できる誰かがいるだけで、気持ちは少し軽くなってきます。
そして人に話すと、自然に
「あ、私は今こう思っているんだ」
「ペットがいなくなって悲しいのは自分だけではない」
と俯瞰で物事を見られるようになっていくので、気持ちに整理がついてきます。そしてゆくゆくはその悲しみや後悔の落とし所を自分で見つけられ、少しずつ立ち直ることができるようになっていくはずです。
とにかく泣く
辛い時は泣いてしまいましょう。ペットといて楽しかったこと、ペットが可愛かったこと、全て思い出してみてください。
戻って来ないという悲しみも、後悔も、後追いしたいと思っている自分も否定する必要はありません。泣いて泣いて、涙が枯れるまで泣いていいのです。
そしてひとしきり泣いたら、考えてみましょう。
いつか天国でペットに再会する時の自分の姿を。ペットの分まで一生懸命生きた!と胸を張って再会したいですね。ペットが喜んでくれる姿で会いたい。
後追い自殺でペットと再会できたとして、その子は喜ぶだろうか?と。
飼い主の幸せを願わないペットはいません。犬も猫も鳥も、金魚やカメだってそうです。
たくさん愛してくれたあなたのことが大好きでたまらない。自分の死で悲しんでくれるのは嬉しいけれど、悲しんだあとは笑顔で生きていて欲しい。
もしあなたがペットの立場だったらこう考えると思うのです。
趣味に没頭する・新たにペットを迎える
ペットと過ごしていた時間がそのまま手持ち無沙汰になってしまい、辛いこともありますよね。
そんな時は、趣味にかける時間を増やしてみるのもいいかもしれません。
ジョギングやゴルフ、テニスなどの運動でも、パズルや絵画などの文化系でも大丈夫。自分が打ち込める何かであることが大切です。
自分の好きなことに打ち込む時間は、自分と向き合う時間でもあります。
一見ペットとは関係ないことに思えても、それが自分の生きがいに繋がっていくとペットロスから立ち直るきっかけになるでしょう。
また、新しいペットをお迎えするというのも方法の一つです。
もしかしたら後悔や絶望から抜け出せてないうちは、新たにペットを迎え入れるのが怖いかもしれませんね。でもペットのことをそれほど深く考えてあげられるあなたなら心配いりません。
あなたのもとへやって来たペットはきっと幸せになれるはずです。
新しく家族の一員を増やすと、しばらくはまた手がかかったり、ペットのやんちゃぶりに振り回されたりすることもあるかもしれませんね。
そうして忙しく過ごしていく中で先代のペットを忘れていくわけではなく、あなたの中で過去を受け入れ、前に進んでいく力になっていってくれることでしょう。
まとめ
最愛のペットとのお別れは胸を裂かれるような悲しみですよね。
飼い主はペットロスになってしまうことも少なくありません。ペットロスによって後追いした人はいるということ、後追いしたいと考える心理、そしてペットロスから立ち直るヒントをお伝えして来ました。
ただ、中にはペットロスが自分では解決できない疾患になってしまっている場合もあります。
ペットロス症候群の症状が長引く場合などは医療機関の診察を受けるようにしましょう。
たくさんの愛情を注ぎ、信頼しあってきたペットは決してあなたの後追いを望んでいません。ペットを思い出すことでその子はあなたの中に生き続けることができる、ということも忘れずに過ごしたいものですね。
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