長野県の諏訪地方に鎮座する諏訪大社。「初めて参拝するけど、どこがいいの?」「4つもあるって聞いたけど、全部行くべき?」そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
諏訪大社は、全国に25,000社以上ある諏訪神社の総本社として知られていますが、実は1つの神社ではなく、4つの神社から成り立っているという珍しい構成をしています。この記事では、諏訪大社の四社それぞれの特徴や魅力、目的別のおすすめの選び方まで、初めて訪れる方にもわかりやすく解説します。
諏訪大社とは?四社の基本を知ろう
諏訪湖を囲む四つの神社
諏訪大社は、諏訪湖を中心に配置された4つの神社の総称です。日本最古の神社の一つとも言われ、その歴史は古事記にも登場するほど。諏訪湖の南側に上社(本宮・前宮)、北側に下社(春宮・秋宮)が鎮座しています。
かつて諏訪湖の水位が今よりも高かったころ、これら4つの神社は湖畔に位置していたと伝えられています。現在は離れた場所にありますが、諏訪信仰の中心として、それぞれが重要な役割を果たしています。
四社の位置関係
- 上社本宮:諏訪市(諏訪IC近く)
- 上社前宮:茅野市(上社本宮から車で約10分)
- 下社春宮:下諏訪町(岡谷IC近く)
- 下社秋宮:下諏訪町(春宮から徒歩圏内)
上社の2社は近く、下社の2社も近い位置にあるため、効率的に巡ることができます。
ご祭神とご利益
諏訪大社の主な御祭神は、建御名方神(たけみなかたのみこと)と妃神の八坂刀売神(やさかとめのかみ)です。古事記の「国譲り神話」に登場する建御名方神は、力比べに敗れて諏訪の地に逃れ、「この地から出ない」と誓ったことから諏訪大社の神となったと伝えられています。
主なご利益
- 勝負運・必勝祈願
- 開運招福
- 縁結び・家内安全
- 農業・産業の守護神
- 交通安全
大国主神の息子であり、夫婦で祀られているため、縁結びや家内安全をはじめとする幅広いご利益があるとされています。
四社それぞれの特徴と魅力を徹底解説

上社本宮:最も格式が高い中心的な存在
上社本宮は諏訪大社4社の中で最も格式が高く、建御名方神が最初に鎮座したとされる由緒ある場所です。境内には見どころが満載で、初めて諏訪大社を訪れる方に最もおすすめの場所といえます。
上社本宮の見どころ
- 布橋と宝殿:本殿の代わりに2つの宝殿があり、御柱祭で交互に建て替えられる
- 天滴の伝承:どんなに晴天でも宝殿の屋根から水滴が落ちるという諏訪七不思議の一つ
- 樹齢1000年以上の杉並木:参道に並ぶ御神木の迫力
- 国の重要文化財:荘厳な雰囲気の社殿建築
また、上社本宮の前には参道に飲食店やお土産物店が並び、観光も楽しめます。「信州諏訪の地酒セット」など、地元ならではのお土産も充実しています。
上社前宮:最も歴史が古い静謐な空間
上社前宮は諏訪大社の中でも最も歴史が古く、その創建は上社本宮よりも古いとされています。「神社」というより「神域」という表現がふさわしい、自然に囲まれた静かな雰囲気が魅力です。
上社前宮の見どころ
- 4本の御柱すべてを間近で見られる:四社の中で唯一、すべての御柱に近づける
- 水眼の清流:古くから「すいが」と呼ばれる御神水が流れる
- 本殿を持つ唯一の社:かつて摂社だった名残で本殿がある
- ミシャグジの遺跡地:土着信仰の痕跡が残る
前宮は静かに参拝したい方や、パワースポットとしての力を感じたい方におすすめです。近くには茅野市出身の建築家・藤森照信氏が設計した「空飛ぶ泥舟」や「高過庵」などのユニークな建築物もあります。
下社春宮:万治の石仏と風情ある門前町
下社春宮は杉の御神木を御神体とする神社で、境内の「結びの杉」は地上10メートル付近で二股に分かれながら根元は一つという縁結びのシンボルです。
下社春宮の見どころ
- 下馬橋:諏訪大社の中で最も古い建造物(元文年間の改修)
- 神様の通り道:毎年2月と8月の遷座祭で神輿だけが通る特別な橋
- 万治の石仏:春宮から徒歩5分、岡本太郎が絶賛した不思議な石仏
- 重要文化財の社殿:幣拝殿と左右の片拝殿が美しい
万治の石仏は、願い事を心で唱えながら時計回りに3周すると願いが叶うと言われており、ぜひ立ち寄りたいスポットです。
下社秋宮:独特の手水舎と華やかな雰囲気
下社秋宮はイチイの御神木を御神体とし、下諏訪の中心部に位置する華やかな雰囲気の神社です。
下社秋宮の見どころ
- 温泉の手水舎:珍しい温泉が湧き出る「御神湯」の手水舎
- ユニークな龍の顔:変顔の龍から熱いお湯が出る独特の造り
- 綿の湯源泉:八坂刀売神が開湯したと伝わる神聖な温泉
- 重要文化財の社殿:春宮と同じ図面で建てられた荘厳な建築
秋宮の近くには中山道と甲州道中の合流点があり、歴史的な街並みも楽しめます。
目的別・おすすめの選び方

1社だけ参拝するなら?
時間が限られている方には「上社本宮」を最もおすすめします。
理由は以下の通りです。
- 諏訪大社の中で最も格式が高い
- 見どころが豊富で満足度が高い
- 参道に飲食店やお土産店が充実
- パワースポットとしても評判
上社本宮だけでも、諏訪大社の雰囲気や歴史を十分に感じることができます。
パワースポット重視なら?
上社本宮と上社前宮の2社参拝がおすすめです。
上社は山に近く、自然を感じられる静かな雰囲気が特徴。特に前宮は観光地化されていないため、より深いパワーを感じられると評判です。2社は車で約10分の距離なので、組み合わせやすいコースです。
観光も楽しみたいなら?
下社春宮と秋宮、そして周辺スポットの散策がおすすめです。
- 万治の石仏(春宮から徒歩5分)
- 温泉手水舎(秋宮)
- 中山道の宿場町の雰囲気
- 下諏訪温泉
下社は田園地帯に近く、開けた明るい雰囲気。春宮と秋宮は徒歩圏内なので、ゆっくり散策しながら巡ることができます。
四社巡りのおすすめルートと所要時間
四社巡りの魅力
四社すべての御朱印を集めると、最後に訪れた神社で記念品がもらえます。記念品は「木製の四社参拝記念しおり」と「そばの落雁(御神供)」です。
御朱印の初穂料は各社500円、合計2,000円で四社分の御朱印と記念品が手に入ります。
おすすめのルート
車で巡る場合(所要時間:約3〜4時間)
①上社前宮→②上社本宮→③下社秋宮→④下社春宮
このルートは効率的で、最後に春宮で万治の石仏も見られます。上社の2社を先に巡り、その後下社へ移動するパターンが一般的です。
公共交通機関の場合
下諏訪駅→春宮→秋宮→電車で茅野駅→前宮→本宮
電車の待ち時間や休憩を含めると、ほぼ1日がかりの行程になります。遠方から来られる方は、宿泊を検討するのもおすすめです。
アクセス情報
車の場合
- 上社本宮・前宮:中央自動車道「諏訪IC」より約2km
- 下社春宮・秋宮:中央自動車道「岡谷IC」より約5km
- 四社すべてに無料駐車場あり
電車の場合
- 上社:JR茅野駅から徒歩またはバス
- 下社:JR下諏訪駅から徒歩圏内
参拝前に知っておきたい5つのポイント

1. 現金・小銭を多めに用意
四社を巡る場合、お賽銭や御朱印で現金が必要です。特に小銭は通常の4倍程度用意しておくと安心です。参道の飲食店でも現金のみの店舗が多いため注意しましょう。
2. 社務所の営業時間をチェック
御朱印の授与は9時頃〜17時(授与所が開いていれば18時頃まで)です。各神社に到着したら、まず最初に社務所で御朱印をお願いするのがおすすめ。参拝中に閉まってしまう可能性を避けられます。
3. 参拝方法
諏訪大社では四社とも、一般的な神社での参拝方法「二拝二拍手一拝」でお詣りします。
4. 本殿がない独特の様式
上社前宮以外の三社は本殿を持たない「諏訪造り」という独特の建築様式です。自然そのものを御神体とする古い信仰の形を今に伝えています。
5. 御柱祭について
7年に一度、寅と申の年に行われる「御柱祭」は、諏訪大社最大の祭事です。高さ17メートルのモミの木を人力で運び、社殿の四隅に建てる勇壮な祭りとして全国的に有名です。
お守りと御朱印の楽しみ方
人気のお守り
開運鈴守(各500円)
- 赤・青・黄の3色
- 上社と下社で神紋が異なる
- 鈴の音が災いを祓い清浄をもたらす
薙鎌守(2,000円)
- 諏訪大社の神器「薙鎌」を模したお守り
- 上社は金色、下社は銀色の根付
- 黒曜石や翡翠を組み合わせた特別なデザイン
龍蛇絵馬(小500円・大1,000円)
- 龍神・蛇神として信仰されるお諏訪様のご神徳
- 上社のみで授与
御朱印集めのポイント
四社それぞれに異なる御朱印があり、集める楽しみがあります。年末年始や大型連休は授与所が混雑するため、時間に余裕を持って訪れましょう。
まとめ

諏訪大社の四社は、それぞれに異なる魅力と個性があります。
時間が限られている方は、格式高い上社本宮を中心に参拝するのがおすすめ。見どころが豊富で、諏訪大社の魅力を十分に感じられます。
時間に余裕がある方は、ぜひ四社すべてを巡ってみてください。四社それぞれの雰囲気の違いを楽しみながら、御朱印と記念品を集める充実した体験ができます。所要時間は車で3〜4時間程度です。
パワースポット重視の方は上社の2社、観光も楽しみたい方は下社の2社と周辺スポットを組み合わせるのも良いでしょう。
























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