１）URAOTOでウェブ関係を担当しているOです。

趣味で写真撮影をしているのですが、2019年４月のはじめに自分のポートフォリオのためにインスタなどで紹介されていない山奥に美しい桜があると聞いて、奈良県の山奥に行った時のことです。

「近くの滝の飛沫に光が反射し、その光が天から注ぎ、桜の木を祝福しているように見える場所がある」という友人の写真家の情報をもとに、日の出を車で待ち、日の出少し前に山に入り、２０分ほど歩き、その場所に向かいました。

人道なんてまったくなく、獣道かなんだかわからないような場所に一人で行きました。今思えば、いつ滑落して命を落としてもおかしくない状況でした。

どうにかこうにかうっすら明るくなってきた頃に大きな桜の木を見つけました。大きな岩を超えて、その場所に行こうとした時のことでした。

薄くて白い布地の着物のようなものをまとった小さい子（３歳ぐらい）が２人、桜の木の下で遊んでいたんです。二人で手を繋いでぐるぐるまわったり、散る桜の花びらを取る競争をしたり。

一瞬で「親に捨てられたんだ！」と思い、警察に電話しようとスマホを出したその時でした。絶対に１０m以上あったのに、目の前に２人の子供がいたんです。僕の顔に触れるか触れないかぐらいの距離で顔を近づけていました。

「人や」

「人やね」

「はじめて嗅いだ」

と言った瞬間、ばちん！と大きな音がなって、自分が目を閉じた瞬間消えていました。

残ったのは桜の木だけ。

姉さんに地域や状況を話すと、自分が話していなかった子らの特徴（髪型）を言い当てられました。

あのあたりの守り神さまなのだそうです。いまだに半信半疑（あれだけの体験をしておいて）なのですが、あの桜の木の場所の写真は撮影はしましたが、どこにも出さず、ずっと家宝にしたままにしておこうと思っています。